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猫の会陰尿道瘻術

会陰尿道瘻術は一般的に雄猫に行われる手術です。
もともと猫ちゃんは尿路結石を患う子が比較的多く、特に雄猫は雌猫よりも尿道が長く細いために閉塞を起こし易い特徴があります。獣医師により若干の術式の違いはありますが、簡単にいうと雄猫のペニスを切除してしまい雌猫のような尿道に作りなおす手術です。

よくみられる尿路系症状

  • 血尿
  • 頻尿
  • 排尿困難

特に要注意は「排尿困難」です。

症状としては何度もトイレにいったりするので、頻尿でちょこちょこ排尿できていると勘違いされる飼い主さんもいらっしゃるかと思いますが、尿道に結石等が詰まり、おしっこが出せなくなっている排尿困難は要注意です。
様子を見て放っておくと、急性腎不全による食欲低下、嘔吐から最悪なケースとしては膀胱破裂や死につながるケースもあります。現在では優れた療法食もあるので手術を回避できる場合もあり、必ず行われる手術ではありませんが、一般的には下記のような雄猫は手術適応になります。

  • 何度も尿道閉塞を繰り返し、内科治療では症状の改善が見込めない。
  • 療法食を食べない、もしくは管理ができずやはり何度も尿道閉塞を繰り返す。
  • 体質的にすぐに膀胱に砂粒状の結石ができてしまう。
  • 結石による尿道閉塞の解除が困難、物理的に尿道が損傷、もしくは閉塞している。

尿道閉塞で会陰尿道瘻を適応した例

Case

実際に当院の患者さんのケースでお話ししていきます。
この子は約1か月前から頻尿症状が出ており他院にて療法食で治療していましたが、尿道に結石がつまりおしっこが出せなくなり、紹介をうけたネコちゃんです。
単純レントゲン検査でも写っていますが、尿道に小さな結石(黄色円中)が多数詰まっています。(レントゲン1)
造影検査所見ではペニス先からカテーテルを入れ、尿路用造影剤を入れています。造影剤を注入すると膀胱には入っていきますが、閉塞している尿道結石(黄色矢印)は動かない状況です。(レントゲン2)


レントゲン1

レントゲン2

この子は麻酔下のカテーテル操作で尿道結石を膀胱に戻す試みをしましたが、一切動きませんでした。

※ケースにもよりますが、麻酔下で尿道結石はカテーテルから生理食塩水にて水圧をかけると膀胱に戻ることもあります。戻った場合は膀胱切開にて結石を除去して終了ですので、この会陰尿道瘻術はする必要がなくなります。

手術について

Surgical Operation

飼い主さんにご説明したうえで手術となりました。

1.最初に術野の剃毛・洗浄をしていきます。

写真のように猫ちゃんのペニスは包皮に包まれています。(写真1)

2.ここから先は手術写真ですので、苦手な方は見ないようにしてください。

術野消毒し滅菌された布でおおい、メスを入れていきます。 写真のようにペニスを露出し、尿道を切り上げまずは尿管結石を除去します。(写真2・3)

3.その後、尿道粘膜と包皮粘膜を利用し筒状に尿道を再建します。(写真4)

術後は数日間、尿道カテーテルで排尿を管理します。(写真5)

4.写真は除去した尿道結石(成分:シュウ酸カルシウム)と術後1か月の経過です。(写真6・7)


写真1

写真2

写真3

写真4

写真5

写真6

写真7

本術式では術後は普通に排尿できますので、傷が治ったあとは特に投薬は不要です。
ただし、この手術は結石ができなくなる手術ではありませんので、結石の成分分析結果によっては療法食での管理や、結石再発の定期的検診は必要かと思います。

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厚木市のあおき動物病院は、犬や猫の尿結石、腎臓病や膀胱腫瘍、会陰ヘルニアに特化しております。
犬(猫)の血尿が続く、トイレに何回も行く、お水をよく飲む、尿が出せない、便が出ない、食欲が落ちた、足を引きずる、膝が外れる、咳が多い、結石が溶けない、膀胱腫瘍などの症状は是非ご相談ください。
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