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心臓の病気と検査について

 心臓病は犬、猫ともに中高齢で多く認められ、無症状なこともあります。たいていの子は聴診で心雑音や不整脈などの異常が聴取できます。しかし治療法は病気ごとや重症度によって異なるため、いくつかの検査を組み合わせて行い、診断、重症度の判定および治療を行っていきます。ここでは犬猫で多く認められる心臓病の説明と検査について説明したいと思います。

慢性変性性房室弁疾患

 心臓には収縮して血液を全身に送り出すポンプ機能があります。心臓が収縮したとき、大動脈や肺動脈以外に血液が逆流しないために防止する弁が心臓内にはあります。慢性変性性房室弁疾患では弁に異常があるため、収縮するさいに血液が逆流してしまいます(図1A、B)。この慢性変性性房室弁疾患は犬の心臓病の約70%であると報告されています。またこの病気は特に心臓の左側にある僧帽弁で多く認められます (図2A)。僧帽弁での逆流によって左房拡大が起き、ひどくなると肺に水が貯まる肺水腫などを起こし死亡してしまうこともあります(図1C、2B)。

 この病気は小型犬に多く、また主な症状は発咳や活動性の低下、散歩中に疲れやすくなった、呼吸が荒い等です。治療法は重症度によって異なりますが、治療は一般的に投薬による内科治療が中心です。しかし近年では獣医療でも外科治療が可能となってきましたので、外科治療を希望される方には外科治療可能な施設への紹介もしております。

図1

A:正常な犬の心臓です。赤い矢印は血液の進行方向を示しています。
B:慢性変性性房室弁疾患の心臓を示しています。僧帽弁の逸脱のため左房へ血液が逆流しています。緑の矢印は僧帽弁の逸脱を示しています。
C:重度の逆流は左房拡大を引き起こし、肺水腫を起こした犬の肺と心臓です。黄色の矢印は左房の拡大また青色の肺は肺水腫を示しています。

図2

A:慢性変性性房室弁疾患の犬のエコーです。この症例は緑の矢印で示したように重度の僧帽弁の逸脱が認められています。
B:本症例は重度慢性変性性房室弁疾患の犬で、青い破線の丸印で肺水腫を起こしています

肥大型心筋症

 肥大型心筋症は猫で一番多く認められる心臓病です。この病気は心筋が肥大することが特徴で、心臓の壁が厚く肥大することで心室が狭くなってしまいます。この病気が起きだすと正常な猫に比べて血液が十分に心臓に入ってこなくなります(図3A、B、4A)。そのため血液が心室の前にある心房に大量に停滞してしまい、肺に水が貯まる肺水腫や胸に水が貯まる胸水貯留を起こして死亡してしまうこともあります(図3C、4B)。また心房が大きくなると血液が停滞し、心房内で血液が固まってできる血栓が形成されることがあります。この血栓は脳や手足、臓器の動脈に突然流れ出ることで、動脈塞栓による障害を起こします。

 この病気は心雑音が認められないこともあり、発見が遅れてしまうため重症化して初めて気づくこともあります。メインクーンやノルウェージャンなどの純血種での発生が多いとされていますが、日本系の雑種でも認められます。主な症状は活動性の低下や口を開けて呼吸をする(開口呼吸)、鼻をひくひくしながら呼吸する(鼻翼呼吸)、呼吸が荒い等が認められます。治療法は内科治療が中心で、胸水貯留が認められる場合は胸水を抜いて呼吸を楽にしてあげたりもします。

図3

A:正常な猫の心臓です。
B :肥大型心筋症の心臓を示していて、赤い斜線部分が肥大している部分になります。正常の猫と比べて左室腔が狭くなります。
C:左室腔が狭いため、左房拡大を起こしさらには肺水腫を起こした猫の肺と心臓です。黄色の矢印は左房の拡大また青色の肺は肺水腫を示しています。

図4

A:肥大型心筋症の猫のエコーです。この症例は左室心筋(白の破線部分)で心筋肥大が起きています。
B:Aと同じ症例ですが、左房が大動脈の2倍ほどあり、顕著な左房拡大を起こしています。

心エコー検査

 心エコー検査は超音波検査機器を使って行う検査です。この検査では心臓の内の広さや心筋の厚さ、心臓内の異常構造物をみることができます(図5A)。また心臓内が狭くなっている場合(狭窄といいますが)にその部位を測定することで、重症度を判定することも可能です(図5B)。また組織ドップラーという検査機能を用いることで通常の心エコー検査よりも早く心機能障害を見つけることもできます(図5C)。

 犬猫は毛深いため、超音波が心臓に届くのを邪魔してしまい、正確な診断ができない場合があります。そのため心エコー検査をさせていただく場合には毛を刈らせていただくお願いをすることもあるので、ご了承ください。

図5

A:大動脈弁下部狭窄症の犬のエコーです。白い矢印が正常な大動脈弁で、黄色の矢印が大動脈弁下にある異常構造物です。
B:Aと同様の症例で、狭窄部位の血流速度です(白い破線部分)。血流速度は4.5m/sec以上で重度であった。
C:肥大型心筋症の猫で実施した組織ドップラー検査です。この症例では心機能の障害は認められていません。

胸部X線検査

 X線検査では心臓の大きさや大血管の太さ、肺血管の太さ、肺に異常がないかを見ることができます。犬猫で最も多い心疾患は肺水腫を起こすことを説明しましたが、X線検査は肺水腫を診断するだけではなく、肺水腫の前兆を見つける可能性もあります(図2B)。また心エコー検査と併せることでより治療適期を正確にすることができます。

心電図検査

 犬猫はヒトと同様に不整脈を起こすことが知られています。聴診や心エコー検査で不整脈の有無はある程度わかりますが、確定診断はできません。それは不整脈の種類がたくさんあるためです。また不整脈の治療は不整脈の種類によって異なります。そのため適切な治療を行うためには心電図検査で不整脈の確定診断をする必要があります。

※青木、五味も基本的な心臓検査は行いますが、より心臓精査をご希望の方は砂原の出勤日のご来院をお願いいたします。砂原の出勤日は基本的には木曜と土曜になります。

Tel.046-290-5575

あおき動物病院は、犬・猫など小動物専門の動物病院です。特に「腹部外科」や「腎泌尿器疾患」(尿結石や腎臓病、腫瘍など)に力を入れ診療を行っています。
結石・血尿・頻尿、おしっこが出せない・会陰ヘルニアなどの症状は是非ご相談ください。

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